転倒について

なにげに歩いているとつま先が引っかかって転びそうになることがある。受け身の心得はあるから大丈夫だとは思うが、40代の頃とは違い心許ない。高齢者が転倒すると大腿骨頸部が折れることが多く、頸部骨折した高齢者の20%は寝たきりになり、認知が進み自立生活が破綻するというデータがある。同世代の方の転倒防止のためにできることをまとめてみた。

転倒のチェックリスト

1.筋肉量が少ない:

“指輪っかテスト”で簡単に評価できる。https://youtu.be/P5ZXT0mGsZ0             ふくらはぎの太さが両手の人差し指と親指で作った輪っかより細いとヤバい。

2.筋力が弱い:

“握力”で予測する。握力は全身の筋力の状態を反映するといわれ、握力が弱くなれば全身筋力も弱くなるといわれている。男性30kg未満、女性20Kg未満は赤信号らしい。

3.バランス能力が低い:

“開眼片足立ち時間”で評価する。https://youtu.be/0yXrzQL1AtU                重心を支持足に乗せておき、対側の足をゆっくり5㎝ほど上げ、上げた足を支持足につけないようにして保つ。

〈測定方法〉自分のタイミングでスタートして、足が床から離れたときから、1)支持足の位置がずれたとき、2)支持足以外の体の一部が床に触れたときまでの時間を測る。

15~20秒以下だとバランス能力が低い。

4.複合的動作能力が低い:

目、体と四肢の協調性が必要な”Timed up & goテスト“で評価する。https://youtu.be/NMI66IvnSUE立ち上がる、歩く、体の向きを変える、バランスをとるなどの複合的な動作能力の程度を表す。

〈測定方法〉背中を垂直にして椅子に座る。手は太ももに置く。椅子から立ち上がり、3m先の目印まで歩いて折り返し、再び椅子に座る。まわり方は左右どちらでもよいが、15秒以上かかるようだと複合的動作能力が低い。

5.視力障害がある。

6.認知障害がある。

7.通路が暗い、すべりやすい、段差等のバリアがある。

8.薬剤の副作用でふらつく、ボーとすることがある。

いづれも転倒のリスクとなる。

改善のポイント

1.体幹の保持や下肢の筋力、バランス能力を養う。

2.股・膝・足関節の異常、下肢筋力の左右差、視力の異常に気づいたら受診する。

3.環境リスクを減らす。

4.薬剤の副作用が減るように、担当医に指導してもらう。

対処法

1.体幹、下肢、足の筋トレを習慣化する。Youtube(https://youtu.be/mmqfVl5fkVU )やいろんな本やでやり方が紹介されている。とっかかりやすいものとして、”ユルっと4秒筋トレ”https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51+g+QQxFZL._SX438_BO1,204,203,200_.jpgという本もある。

2.整形外科あるいは眼科関連の問題があれば、受診し担当医の意見に従う。

3.環境対策

(1)バリアフリー(引っかからないよう段差の解消/カーペットの縁を整える/コード類をまとめる)

(2)補助用具

ア.転倒防止のために手すり、杖、人感センサーライト、靴を検討する。https://youtu.be/-POG9oyAfbY

イ.骨折防止のためにパット付きズボンなどを検討する。

4.降圧薬/抗パーキンソン薬/眠剤/抗精神/抗糖尿病薬等を処方されている方で思い当たる節があれば、担当医に相談する。内服薬の変更、量の変更、服用時間の変更等の指示があるかもしれない。

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