便失禁は更に深刻である。外出先でのトイレの確保、漏れた場合の対応と周到な準備が
必要になる。雑ぱくに分けると、①肛門を絞める筋肉の機能低下、②高度の便秘、
③脊髄損傷による便失禁がある。
ここでは、生活習慣と老化が絡む①と②の予防策について述べたい。
便失禁のチェックリスト
1.長時間トイレに籠もって息む。
2.残便感が強く、何度もトイレに行くがスッキリしない。
3.便意がない
4.抑制が効かず、漏れてしまう。
5.下剤の調整が難しい。
一個でも当てはまる方は、早めの対応が必要である。
改善のポイント
1.肛門に負担をかけすぎない。
2.便意があったらトイレに行く。
3.排便パターンを知る。
4.トイレまでのアクセスや環境を見直す。
5.それでもダメなとき。
対処法
1.息みすぎが習慣になると、
①痔核や肛門の奥にある直腸粘膜が垂れ込んで肛門内にはまる。
②脳は肛門内にはまった痔核や直腸粘膜を便と勘違いする。
③更に息んで出そうとすると、痔核や直腸粘膜の出っ張り具合がひどくなる。
①から③を繰り返し悪循環にはまるヒトがいる。遂には肛門から直腸が出っ張ってくる様になり、
肛門の締まりが悪くなっていく。
(1)食生活を見直す。
ア.大腸が運び出しやすい良いウンコをつくる。
(ア)発酵性食物繊維をとる。https://ohitoritv.com/nhk-asaich-fermentable-dietary-fiber/
(イ)朝起きがけにコップ一杯の水を飲む。
イ.腸の動きを整える。
(ア)汗ばむくらいの運動をする。
(イ)ぐっすりと眠る。
(ウ)時計回りに腹部のマッサージ
http://medical-friend.co.jp/douga_gijutu/gijutu10_01.html
(2)排便に関わる筋肉を鍛える。
ア.腹筋を鍛えて、便を押し出す力を強化する。
イ.骨盤底筋群・肛門括約筋を鍛えて、漏れない肛門をつくる。
https://www.youtube.com/watch?v=azRWbQrhYpU
(3)排便しやすい体勢をつくる。
ア.排便時の姿勢(ロダンの考える人を思い浮かべる)
https://hiroshima-dr.jp/column/article/9
(4)悪循環を断つ。
ア.トイレは5分で切り上げる。
2.便意を大事にする。
(1)便意があったら我慢せず、便座に座る。
(2)便意がなくても、排便習慣を作るために定期的に便座に座る。
3.排便日誌をつける(7日間程度)。
(1)排便時刻を記録する。
(2)1回排便量(親指大とか大まかに)記録する。
(3)硬さや形状を記録する。(ブリストル便性状スケール)
https://www.med.oita-u.ac.jp/oitaNST/siryo/bristol.pdf
(4)服用した下剤の種類と量を記録する。
(5)便失禁時刻を記録する。
4.トイレまでの距離を短く・通路の照明を明るく・着脱しやすい衣服
5.消化器科、こう門科医師に相談する。
(1)適正に下剤を調整してもらう。
(2)腸の動きを悪くする薬があれば処方薬を見直してもらう。
(3)便秘や失禁になる病気が隠れていないか聞いてみる。
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